唾液検査をおススメするわけ
最近歯科界で話題になっているのが「国民皆歯科健診制度」という言葉が政府の骨太方針に入ったことです。
その検診に用いられるのが「唾液検査」を想定しているとのことです。。
では唾液検査で何がわかるのでしょう?
唾液検査にもいろいろあって、歯周病の原因菌の有無を調べる検査からむし歯のなりやすさ危険度チェックをする検査まであります。
コロナ禍で有名になったPCR検査も唾液検査の1種です。
ファミリーデンタルイシダで行っている「唾液検査SMT」は、むし歯と歯周病のなりやすさを示す項目を計測してお口の健康度を調べる検査です。
「唾液検査SMT」で調べる項目は、①お口の中のむし歯関連菌の多さ、②酸性度、③唾液の中和する力、④アンモニア濃度、⑤タンパク質、⑥唾液中の白血球数の6種類です。
①~③のむし歯関連菌の多さ、酸性度、唾液の緩衝能(中和する力)を調べることで、むし歯のなりやすさが分かります。
むし歯関連菌が多いという結果が得られたら、菌量をコントロールする必要性があります。
そのために歯みがき回数、食生活(甘いもの)は大丈夫か?をお尋ねします。
お口が酸性に傾いていると虫歯になりやすくなります。
むし歯とはむし歯原因菌の出す酸で歯が溶けることです。
そしてその酸を中和するのが唾液の弱アルカリ成分です。
唾液の緩衝能(中和する力)をしらべることで虫歯になりやすい体質かどうかを判定します。
この①~③の結果をもとにむし歯リスクを判定し、それに適した歯磨き剤などおすすめグッズと生活習慣の改善支援を行います。
④のアンモニア濃度は歯磨きの磨き残しチェックの指標となります。
アンモニア値が高いと歯みがきがうまく行ってない可能性があり、日ごろの歯みがき回数や歯ブラシは適切かをお尋ねしてセルフケア支援を行います。
⑤のタンパク質と⑥の白血球数が高いということはお口のどこかに炎症があることを示し、歯肉炎、歯周炎を疑います。
歯肉炎、歯周炎が中等度から重症ならば、歯肉の腫れを抑える成分の入った歯磨き剤や歯肉にやさしい歯ブラシを提案します。
このように「唾液検査SMT」はお口の健康状態を測定し、お口の状況にあったおススメセルフケア商品とセルフケア支援をするために行う検査です。
ただ「唾液検査SMT」で歯周病はむし歯の病気の診断は出来ません。
歯周病やむし歯の検査はレントゲンとお口の中の検査で診断します。
ですので唾液検査は病気の診断ではないので保険診療対象外です。
保険で出来るとか出来ないとかの問題でなく、患者さんのお口の健康の将来性、しいては健康寿命に関わる大事なことなのです。
ですのでファミリーデンタルイシダで継続的な歯の検診・メンテナンスを希望される方全員にこの「唾液検査SMT」を皆さんに行っています。
ご理解のほどよろしくお願いいたします。